賃貸の壁紙が剥がれる主な原因
まずは、賃貸の壁紙が剥がれる原因を整理しましょう。原因によって費用負担者が変わるため、ここでの判断が非常に重要です。
経年劣化・通常損耗による剥がれ
壁紙は時間の経過とともに接着力が弱まり、自然に剥がれてくることがあります。日光による変色、家具の設置跡、エアコンの風が直接当たる場所の乾燥による剥がれなどは、通常の生活で避けられない「経年劣化」や「通常損耗」に該当します。
湿気・結露・カビによる剥がれ
浴室や洗面所の近く、窓際など湿気が多い場所では、壁紙の接着面が弱くなり剥がれやすくなります。結露を長期間放置してカビが発生し、壁紙が浮いてきたケースは、入居者の管理不足と判断される場合もあるため注意が必要です。
入居者の過失による剥がれ・破損
家具をぶつけて壁紙を破った、ペットが引っかいた、クギやネジで穴を開けた、両面テープを剥がした際に壁紙が一緒に剥がれた、タバコのヤニで変色・劣化した、落書きをした、などは入居者の過失に該当します。
賃貸の壁紙が剥がれた場合の費用負担ルール
賃貸の壁紙が剥がれた場合、修理費用を誰が負担するかは、原因と入居期間によって決まります。
経年劣化なら大家さん負担が原則
壁紙の剥がれが経年劣化や通常損耗によるものであれば、修繕費用は原則として大家さん(貸主)が負担します。民法第621条および国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の使用による損耗については、借主に原状回復の義務はないと定められています。
入居者の過失なら入居者負担だが「6年ルール」で減額される
入居者の過失で壁紙が剥がれたり破損した場合は、入居者に原状回復義務が生じます。ただし、壁紙の耐用年数は6年とされており、入居期間に応じて入居者の負担割合は減少していきます。具体的には、入居3年なら約50%、入居5年なら約17%、入居6年以上なら残存価値は1円となり、入居者の負担はほぼゼロになります。
費用負担の範囲は「一面単位」
入居者が壁紙の修繕費用を負担する場合でも、部屋全体の壁紙の張り替え費用を負担する必要はありません。東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」では、壁紙の修繕費用は損傷箇所がある「一面分」のみが入居者の負担範囲とされています。一面分の費用からも、入居年数に応じた経年劣化分が差し引かれます。
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賃貸の壁紙が剥がれたときの正しい対応手順
賃貸の壁紙が剥がれたことに気づいたら、以下の手順で対応しましょう。
まず写真を撮って記録する
壁紙が剥がれている箇所を、日付入りで写真に記録しましょう。部屋全体の写真と剥がれ部分のアップ写真をセットで撮っておくと、退去時の費用トラブルを防ぐ証拠になります。経年劣化による自然な剥がれであることを証明するためにも、記録は重要です。
管理会社または大家さんに連絡する
壁紙の剥がれに気づいたら、放置せずに管理会社または大家さんに連絡しましょう。経年劣化が原因であれば、大家さんの負担で修繕してもらえる可能性があります。放置すると被害が拡大し、入居者の管理不足とみなされるリスクもあります。
勝手に大規模な修繕をしない
管理会社に連絡せずに自分で壁紙を張り替えたり、大規模な修繕を行うのはNG行動です。壁紙は大家さんの所有物であり、無断での変更は契約違反にあたる可能性があります。修繕が必要な場合は、必ず管理会社の許可を得てから行いましょう。
賃貸の壁紙を自分で補修する方法と注意点
小さな剥がれであれば、管理会社に相談のうえ、自分で補修することも可能です。
壁紙専用のりで貼り直す
剥がれた壁紙の裏側に壁紙専用のりを薄く塗り、元の位置に貼り戻してローラーで圧着します。はみ出したのりは乾く前に濡れた布で拭き取りましょう。剥がれた壁紙が硬くなっている場合は、ドライヤーの温風で柔らかくしてから作業すると仕上がりがきれいになります。
補修キットを使う
ホームセンターや100円ショップで手に入る壁紙補修キットを使えば、初めてでも比較的きれいに補修できます。補修シールやパッチシールなど、賃貸向けの製品も充実しています。
使ってはいけない接着剤に注意
瞬間接着剤(アロンアルファなど)やセロハンテープでの応急処置は厳禁です。壁紙が変色したり、剥がすときに下地を傷めたりして、修繕費用がかえって高くなる原因になります。必ず壁紙専用の接着剤を使いましょう。
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退去時の壁紙費用を抑えるための4つのポイント
退去時に壁紙の修繕費用で損をしないためのポイントをまとめます。
入居時に室内の状態を写真で記録しておく
入居前から壁紙に傷や汚れがあった場合、退去時に「入居前からあった」と証明できなければ、入居者の責任として費用を請求される可能性があります。入居時にすべての部屋の壁紙の状態を写真で記録し、日付入りで保存しておきましょう。
入居年数と6年ルールを理解しておく
壁紙の耐用年数は6年です。入居期間が長いほど入居者の負担割合は下がるため、退去時の費用交渉の際に「6年ルール」を根拠として主張できます。入居6年以上の場合、通常損耗と経年劣化による壁紙の張り替え費用は原則として入居者負担はゼロです。
退去時の請求内容を明細で確認する
退去費用の請求を受けたら、内訳を明細で確認しましょう。壁紙の張り替え範囲が一面分を超えていないか、経年劣化分が適切に差し引かれているか、相場と比べて高すぎないかをチェックします。疑問があれば管理会社に説明を求めましょう。
日頃の換気と掃除で壁紙を長持ちさせる
結露やカビによる壁紙の剥がれを防ぐためには、日頃からの換気と掃除が効果的です。特に湿気の多い梅雨時期や冬場は、こまめに換気を行い、結露が発生したら早めに拭き取ることで、壁紙の劣化を遅らせることができます。
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まとめ|賃貸の壁紙が剥がれたらまず原因を確認し管理会社へ連絡
賃貸の壁紙が剥がれた場合、修繕費用の負担者は「原因」と「入居期間」で決まります。経年劣化や通常損耗による剥がれであれば大家さん負担、入居者の過失による剥がれであれば入居者負担ですが、壁紙の「6年ルール」により入居期間が長いほど負担割合は下がります。
壁紙の剥がれに気づいたら、まず写真で記録し、管理会社に連絡しましょう。小さな補修は管理会社の許可を得た上で自分で行うことも可能ですが、瞬間接着剤やテープの使用は避け、必ず壁紙専用の補修材を使ってください。
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